先に
彼がシャワーを浴びた。


自分が出てくると
姿が無い。


少し、
不安に駆られて
彼の名前を呼ぼうとした瞬間。


不意に後ろから抱きしめられ、
巻いたバスタオルの上から乳房を掴まれて揉まれ、
指が既に尖った蕾を弄る。


指先が蕾を捕らえて
当たる感覚に体が反応し、
躰が仰け反り、
声が漏れてしまう。


後ろの彼の唇と舌が
私の耳やうなじ、
そして肩へと
快感を呼び起こす様に
優しく這った。


男らしい厚い唇が、
煙草でざらついた舌が、
私の中の牝の血を体の奥から呼び起こし、
ゆっくりと熱く沸々とたぎらせる。


向き合って唇を合わすと互いの舌を絡ませ、
私は彼の背に回した手から
逞しい男性特有の、
無駄の無い筋肉質な体が私の指先に伝わり、
ゾクリとした快感が
自身の体に走った。


彼の頬から耳へ首筋を指で撫でると、
熱くたぎる様な血の流れを、
彼の肌から
自分の指先に感じる。


自分の肌を弄る
男性特有な掌に
触れられると、
私の身体は既に
欲情に駆られて
火照りを隠しきれずにいた。


私が唇を離し
少し俯くと、
彼の胸筋に
視線が落ちて…。


無数な傷跡が残る体に、
優しく指先を這わせると、
下半身の隆起した彼自身がピクリと動く。


恥ずかしい事に
自分の秘所が
益々熱を帯びて潤い、
滴り落ちそうな愛液を
自分自身で感じ、
体が彼を求めてしまう。


不意に両腕を掴まれ
ベッド上へと乱暴に
投げられ、

バスタオルに繰るんだ乳房が
はらりと揺れ、

はみ出し露わになる。


その姿は多分、
彼と私の情欲まで揺らしたのかも知れない。