4時間目がおわり5時間目の始まる前


「沙良、さっきアイツ廊下から見てたけど?」

陽介が私の席に来た



「やっぱり?」


薄々は感じていた

学年で集まる時も、移動する些細な時も、近くに長谷川がいる気配はあった



さすがにここまでされると、本当に嫌になってきた…


「アイツにつけられてるってホント?」



「うん…」



陽介は私の机の前にしゃがみ込んだ


「沙良、暗いな…」


陽介はそういって私の顔の頬に手を当ててきた


温かい…


名前のごとくポカポカ陽気の淡いオレンジ色のような温かかさだった


私はすがる思いで陽介の手の感触を感じていた…



私の心の中では、さっきまですごく辛く苦しがっている自分がいたのに、今は緊張していている自分がいれば喜んでいる自分がいる