「痛いか?」


「うん、少し痛い」



「沙良、めちゃくちゃ頑張ってたよな」


「なんか陽介に負けなくなくって頑張ちゃった」


「何で俺?」


「だって陽介かなり頑張ってたじゃん?
その姿を見てカッコいいなって思ってね
私もカッコいいところを見せたくなったの」



だってね、陽介にも私と同じように「すごい」って思って欲しかったから


それと…いろんな私を見てもらいたかった


「沙良は俺に十分カッコいいところを見せてくれたよ
普段とはまるで違うからすげぇと思った」



「そうでしょう?でも部活での私はあんなんだよ」



「へぇー知らなかった

俺も負けたけど部活だとあんな感じなんだ」


「えあんなカッコ悪いっけ?」


「は!?カッコ良かったじゃなかったの?」


「冗談だよ!カッコ良かった…!」


陽介はまるで子供を相手するように


「ありがとな」と言って
頭をポンポンって叩いた


ああ…いつまでもこのままでいたい私はそう思った