体育館に向かう廊下


俺、桜木陽介はダチの井上和也と体育館に移動中だった


「どーした洋介?
さっき、水野と話たんだろ?」

和也はニカニカ笑いながら話かけて来た


「少し話しただけなんだけどな」


「良かったな〜今年同じクラスで!
お前が去年何人もの告白を断わりながら、思い続けていた人だもんなぁ」


「うるさいな、水野にとってその方が良かったんだよ」



さっきの会話で


『ねぇ、いつから私の名前知ってたの?』


いつからか…

あの時、嘘をついた


はっきり言えなかった


俺が1年前に初めて君に出会って

誰なのか知りたくなって必死に聞き回って、ようやく君の名前を知ったこと