唯佳と別れて、家路につく。

はぁ、とだけ出た溜め息は、赤い空を濁らせてしまった。


中総体は、もう一週間後に迫っていて。


「やばいなー。筋トレして筋肉つけなきゃ」

一応、水泳部部員のあたしは

がむしゃらに、家まで走った。


全部、全部忘れちゃえ。

全部、消して無くならせればいいんだ。


スキだった気持ちを捨てよう。

愛しかった気持ちを捨てよう。


あたしは、誰を好きになれば良かった?