「唯佳・・・強姦に逢いかけた。って・・・」
そう。それは、今までずっと一緒だった
あたしでさえも分からなかった真実。
「・・・・・え・・・?」
「あ、いいの!話したくなかったら、
話さなくて!」
すぅ、
という、空気を吸う音が聞こえたあと、
唯佳の口が静かに開いた。
「小学校を卒業した、春休み。
あたし、調子に乗って家に
夜遅くまで帰らなかった。
路地を通ったら、男の人が出てきて・・・
逃げても、逃げられなくて・・・っ
肩を掴まれたときに、
『あんたら、何してんスか?』
魔法みたいに、俊が助けてくれた。
地獄から、あたしを救い出してくれたの。」
・・・あぁ。
そっか。
唯佳の後ろ姿が眩しくみえるように
なったのは、中1の春からだった。


