「はあっ、はあっ、」

口で息をする相羽。


そりゃそうだ。

だってここは東北。

信号機なんて1、2個しかないんだもん。



「おつかれ…」


そう言って相羽にタオルを渡した。

…あ、使ってないヤツね!



「おー、サンキュ」


「じゃあ、あたしも帰る」


「おう、じゃーな」



自転車に跨がって、ほとんど分からない道を漕いだ。


あちらこちらに自分の中学のジャージを見つけて、何故か心が怯えた。