私は半泣きしながらシャーペンを
動かす。

時間が経つにつれシャーペンの動きが
遅くなるのを、知ちゃんはすぐ見つける。


「お前…何でこんな問題が分からないんだ!?」


「だって私学年で1位のバカだよ!?」


「悲しげに言うな!!」


知ちゃんが怒鳴ると、私はまた
地獄の時間に引き戻されるのであった。


──3時間後──


「終わった~!!」


思わず立ち上がる私。

今まで提出物が終わった事なかったから…
嬉しい~!

と喜んでいると、私のテンションをよそに
1人でがっくりしている知ちゃんがいた。


「知ちゃんどうしたの?」


「…どうしたも何も、たった20問で3時間
かかるなんて…」


「まあいいじゃん!ありがとう~何か奢るよ♪」


「いやいい。今から夕…いや何でもない」


「え?何なに?」


「いや…用事あるから帰るわ」


「え!まだ私知ちゃんと3時間しか一緒に
 いないのに!?」


「3時間もだろ。お前は勉強しとけよ」


そう素っ気無く言うと、知ちゃんは
教室を出て行ってしまった。