ローズは剣をしっかりと構えていた。


どうして?女王だと知って近づいた人の手に堕ちないことは、そんなにいけないことなの?


「ローズ様ー。」

突然背後から声がして、ローズは剣をしまった。


「どうしましたの?」
振り返るとそこには、背の高いエルフが立っていた。


「ローズ様、大変です。妖が…、
妖が城に近づいています。」


エルフは血相をかえて慌てていた。


「彼らの目的は?」


ローズは落ち着いて話を聞いた。


「――……ローズ様を、切ることです。」


「ありがとう。
あなた方エルフは早くお逃げなさい。」


「しかし、ローズ様は…?」


エルフはローズを心配そうに見た。

「私なら大丈夫。女王の命令よ。」

ローズは精一杯の微笑で答えた。