女王陛下は女神様

ローズは精一杯の威厳を保って…

泣いていた。


ジェームズに背を向けて、見えない顔は、泣き顔だった。


バッカみたい。隣国の王子だなんて知らないで好きになってたなんて。


ほらね。やっぱり、彼も権力が欲しかっただけなんだわ。追いかけても来ない。


初恋の人だったのに、2度も振られちゃった。


「姫…。」

ジェームズが後ろから抱きしめた。

「触らないで。私は姫じゃない。女王よ。」

「泣かないで。」