ローズはそれだけ言って黙った。


「ローズ様、何故貴女のことが騎士に殺せるのですか?」


「私は

“殺すのは、私にしなさい。”

と言ったが、
  
“殺される” 

とは言ってないわ」


「しかし、今ローズ様には剣がない」


「私は剣無しでも逃げきります」


ローズははっきりと言った。


「ローズ様に争いは似合わない。騎士の誰かに守って…」


「私は守られるほど弱くない。貴方も気をつけて」



ローズはもう用はないと言うかのようにくるりと背を向けて、電話をし始めた。