ジェームズは城に戻った。

「失礼します、女王陛下」

「誰だ?私を女王陛下と呼ぶ者は城にいない」


ローズが鋭い声を出した。


「失礼。ローズ様、新しく騎士になった者です」

「お入り下さい」


ローズは警戒して竹刀を構えた。


「私はブラームと申します」


「この時期に新しい騎士?貴方も大変ネ。

――今、城の中は分裂状態。私を殺そうとする派閥と、守ろうとする派閥に。私は騎士の中に入って、悪者を裁く気は無い。だから…、互いに殺しあいだけはしないで下さい。
――……殺すのは、







私だけにしなさい」