おじいちゃんが・・・


先月、亡くなった。


あたしは、お墓に手を合わせる。


・・・学校帰りの午後。


『おじいちゃん・・・遺言見たよ?』


初めて知った。


おじいちゃんの職業。


『こんなあたしでも・・・校長先生になれるの?』


おじいちゃんは、“私立千羽高校”の校長先生だった。


千羽高校の歴史は、長く・・・


大正時代からの高校で金持ちで賢い男子校で有名な学校。


だから・・・


きっと前代未聞;


でも、決めたんだ!


『浅倉 紗亜矢≪アサクラ サアヤ≫16歳!頑張ります!』


それが・・・


あたしの名前。


お母さんの紗南≪サナ≫の“紗”とお父さんの秋矢≪アキヤ≫の“矢”


そして、


おじいちゃんの亜門≪アモン≫の“亜”で組み合わせて“紗亜矢”


「紗亜矢!準備しなくていいのか?明日、千羽市(千羽高校がある所)に引越しするんだろ?・・・大変だな」


っと兄の龍≪リュウ≫が言う。


お兄ちゃんは、医者の卵である。


『するする!』


「お前、じいちゃんの遺言でも男子校の校長とか大丈夫か?」


『大丈夫だよ!』


「小中高と女子高なのに・・・」


・・・ぎくり;


「男の男も知らないのに・・・」


『いいの!大丈夫だし!』


「あっそ、何かあったら電話しろよ?」


『うん』


お兄ちゃんは、どちらかイケメンに入る。


良くモテるし・・・


医者の卵だし、、