「こ、こんばんは」
この間よりも緊張している彼女の声。
「こんばんは」
俺も緊張して、のどが渇いてきた。
だんだん俺に近付いてくる。
「あ、あの。先日はありがとうございました」
俺の目の前に立ち、ぺこりと頭を下げた。
「こちらこそ。来てくれてありがとう」
「・・・」
会話が続かない。
「・・・乗って?」
こんなところで突っ立ていたらまずい。
急いで助手席のドアを開け、車に乗るよう促した。
エンジンをかけ車を走らせる。
目的地は誰も居ない所。
誰の目にもつかない所。
立てた計画をすっかり忘れてしまった俺は、とにかく車を走らせた。
車内はカーステから流れるロックだけ。
俺も彼女も一言もしゃべらない。
時々、彼女をチラ見するが、膝の上でこぶしを握りうつむいている。
何から話そうか、運転しながらずっと考えていた。
「名前」
「えっ?」
パッと顔を上げる彼女。
「まだ聞いてなかった。教えて?」
信号が赤で車は停まる。
俺は、彼女に視線を向けた。
彼女は視線を合わせてくれない。
また下を向いた。
この間よりも緊張している彼女の声。
「こんばんは」
俺も緊張して、のどが渇いてきた。
だんだん俺に近付いてくる。
「あ、あの。先日はありがとうございました」
俺の目の前に立ち、ぺこりと頭を下げた。
「こちらこそ。来てくれてありがとう」
「・・・」
会話が続かない。
「・・・乗って?」
こんなところで突っ立ていたらまずい。
急いで助手席のドアを開け、車に乗るよう促した。
エンジンをかけ車を走らせる。
目的地は誰も居ない所。
誰の目にもつかない所。
立てた計画をすっかり忘れてしまった俺は、とにかく車を走らせた。
車内はカーステから流れるロックだけ。
俺も彼女も一言もしゃべらない。
時々、彼女をチラ見するが、膝の上でこぶしを握りうつむいている。
何から話そうか、運転しながらずっと考えていた。
「名前」
「えっ?」
パッと顔を上げる彼女。
「まだ聞いてなかった。教えて?」
信号が赤で車は停まる。
俺は、彼女に視線を向けた。
彼女は視線を合わせてくれない。
また下を向いた。

