天使のような微笑で

 握手を始めてから二時間経過。

 休憩時間になり、俺はステージ袖の控え室に戻った。

 興奮のため、テンションが上がりっぱなし。
 スタッフとの会話にも笑いが耐えない。

 ファンの子達の手を握りながら、夢を掴んだ実感を強く感じる。

 短い休憩中。
 今の感動をブログで伝えようと、携帯をカバンから出した。
 
 チカチカとメール受信を知らせるランプが光っている。
 俺は携帯を開いた。

 何件かメールが来ていたが、送り主だけを軽くチェックする。

 彼女からメールの返事がきていない事を少し気にしつつ、ブログを書く。
 
 今日会場に来れなかった人たちに、会場の様子や俺の気持ちを簡単に伝えた。

 短いブログが書き終わった頃、休憩時間は終わっていた。

 控え室と会場を仕切ってあるカーテンを勢い良く開け、俺はファンの子達の前に戻った。