そうだそうだ。

記憶消すな。


「その代わり、おまえの心に壁を張らせてもらう。

他人に覗かれないようにな。

おまえは無防備だからそれも面倒だけどな……

それでも、記憶を毎回消すよりはマシだ」


金の目がまぶたの奥に隠れて。

少し精神集中したかに見えたシルヴァイラは。


「これでよし。

ヤバそうだったらいつでも記憶消すからな」


ゆっくりと目を開くと。


形のよい口の端をつりあげて、満足げにニッと笑った。