月の雫 -君と歩む彼方への道-

オレは結構人見知りするんだぞ。





集会が済むと、オレはじいさんが部屋に引っ込む前に何とかつかまえた。


「ちょっちょっと、じいさん」

「シレンか、じいさんはやめなさい。何だ」

「何だ、じゃないってば」


泣く子も黙る大僧正を、じいさん扱いするのはオレだけだ。

小さい頃から世話になってるからな。

オレにとっちゃ、どれだけ偉い人でも、じいさんはじいさんだ。


「オレが新入りと同室だって?」

「そう言ったじゃないか」


じいさんはそう穏やかに言いながら、自分の部屋のドアを開けた。