「いいから早く背中を出せ。

薬塗ってやるから。

放っておいたらひどくなる」


「――ぼくのことは放っておいてくれ」


薄い唇から漏れるのは、少し苦しげな細いかすれ声。


「放っておけないから言ってるんだよ。

おまえがぶっ倒れたら、ペアがいなくなってオレが困る。

これはオレのためでもあるんだ」

「手当てなんか、必要ない」

「必要だってば」


オレは、ベッドの上でそっぽを向いてるシルヴァイラをくどくど説得してた。


まるでこれじゃ世話女房だっての。

思わず苦笑する。