月の雫 -君と歩む彼方への道-

「いきなり銀だなんてな」

「そうだな。オレたちの立場ねぇわ」

「いったい何者だ?

あんなにフード下げやがって、顔さえ見えやしない」


ルカは面白くなさそうに口をとがらせた。





「ところで、諸君はお気づきだと思うが」


じいさんの声色が少し変わった。



「今朝、新しい魔道士見習いが入所した」


(あ――)


あいつのことだ。


途端に周囲がざわざわとざわめく。

みんな、気になってるんだ。

まぁ当然だけど。