(シル……)
途中からシルの声は涙混じりになっていって。
聞いてる方が胸をかきむしりたくなるくらいだった。
「――シルヴァイラ」
ふと、かすみの中から老いたしわがれた声がした。
はっ、とシルが息を吸い込む。
「おまえを砂に埋めて清めようと言ったのはわしだ」
「……メルヴィラじいさん」
「両親を突然失ったおまえの気持ちをおしはかることもなく、な。
ただただ自分たちの保身のために――
悪霊払いだといって、おまえを砂に埋めたんだ。
たしかに儀礼は大事だ。
だが、それよりもおまえの気持ちをまず考えるべきだった。
教えばかり優先させて、真に見るべき”人間そのもの”を見なんだ」
「……じいさん」
途中からシルの声は涙混じりになっていって。
聞いてる方が胸をかきむしりたくなるくらいだった。
「――シルヴァイラ」
ふと、かすみの中から老いたしわがれた声がした。
はっ、とシルが息を吸い込む。
「おまえを砂に埋めて清めようと言ったのはわしだ」
「……メルヴィラじいさん」
「両親を突然失ったおまえの気持ちをおしはかることもなく、な。
ただただ自分たちの保身のために――
悪霊払いだといって、おまえを砂に埋めたんだ。
たしかに儀礼は大事だ。
だが、それよりもおまえの気持ちをまず考えるべきだった。
教えばかり優先させて、真に見るべき”人間そのもの”を見なんだ」
「……じいさん」

