「本当に行くのか、シレン」
心地よい風の吹く丘で。
風に白髪をなびかせながら、じいさんは、まだ名残惜しそうに言った。
「言ったろ。
もう決めたって」
オレは、にっこり笑ってきっぱりと言う。
オレにはもう一点の迷いもなかった。
「これまでお世話になりました。
ここに来てよかった。
本当にありがとうございました」
オレのかたわらで、シルヴィが深々と頭を下げた。
銀の髪がさらさらと音をたてる。
――こいつが丁寧語を使うのなんて、初めて見たぞ。
「そうだな……
おまえたちは、そういった特性があるのはわかっていた」
じいさんは、目尻にしわを寄せて微笑んだ。
心地よい風の吹く丘で。
風に白髪をなびかせながら、じいさんは、まだ名残惜しそうに言った。
「言ったろ。
もう決めたって」
オレは、にっこり笑ってきっぱりと言う。
オレにはもう一点の迷いもなかった。
「これまでお世話になりました。
ここに来てよかった。
本当にありがとうございました」
オレのかたわらで、シルヴィが深々と頭を下げた。
銀の髪がさらさらと音をたてる。
――こいつが丁寧語を使うのなんて、初めて見たぞ。
「そうだな……
おまえたちは、そういった特性があるのはわかっていた」
じいさんは、目尻にしわを寄せて微笑んだ。