月の雫 -君と歩む彼方への道-

「ここにはぼくの求めるものはないと思う。


これ以上ここにいても迷惑を掛けるだけだ。


ぼくはまた、外の世界へ出ていこうと思う」




「シルヴァイラ……」



迷惑を掛ける、だなんて。

こいつがそんなこと考えるなんてな。



とか頭では考えながら、オレの口はまったく別の言葉を吐いていた。




「シルヴァイラ。



――オレも行く」




はっ、と、シルヴィは銀の頭をさっとめぐらしてオレを見上げた。

驚きに丸く見開かれた金の瞳。



オレは、できる限り最高の笑顔で、悠然と微笑み返してやった。