――オレ、ルカに気を遣わせてる?



オレは何と言ってあげればいいんだ、ルカに。

こいつのために。



(……シルならどう言うだろう?)


何となくそんなことを考えた途端。

何だか心がふわっと軽く楽になって。


リラックスした途端に、思いが言葉になって口からすらすらと出てきた。


「ルカ、おまえの決めたことなんだろ」

「まあな」

「じゃあ、自信持てばいい。


どっちが正しい、間違ってる、なんて、ないよ。

大事なのは、おまえ自身が決めたこと、ってことだ。


おまえ自身は魔道士になりたかったんだろ?」


「……そうだな」


「おまえはお母さんの所有物じゃないんだ。


ルカはルカの人生を歩み出したんだから。


振り返ることはない。


自信を持てよ」



「――ありがとな」



ルカは、微笑んで大きくうなずいた。