月の雫 -君と歩む彼方への道-

(!?)



上空からすごいスピードで魔物に襲いかかると。

その鋭い爪で、魔物の固そうな皮膚を容赦なく引き裂く。


ギィィィィ


魔物の喉から、悲鳴らしきものが漏れた。


そこへ、容赦なくまたトカゲ野郎が襲いかかる。


(……!?)



あっけに取られつつ、ふと見ると。

シルヴァイラはもう腕をおろしていた。


魔物たちの激しい戦いぶりを、少し首をかしげて冷たい目で無表情に見ている。


見物人よろしく腕を組んで。



(シル……おまえ、もしかして、一体味方につけたのか?)



返事はなかった。