月の雫 -君と歩む彼方への道-

オレの内心の心配をよそに。

首をめぐらせて、3体の魔物を順にじっと見ていたシルヴァイラは。


やがて、空を飛んでいるやつに向き直った。


するすると、神託のように、細い腕が上がる。



(……何だ?)


思わず息を呑む。



(どうするんだ、シル)


こっちまでついつい肩に力が入りつつ、じっと見ていると。



やがて、空を飛びまわって攻撃していたトカゲ野郎は、ふと空中にとどまって、シルヴァイラをその瞳のない赤い双眸でじっと見た。


シルヴァイラは微動だにしない。



トカゲ野郎とシルヴァイラの間に、火花が散ったように見えた。



かと思うと。


次の瞬間、トカゲ野郎はくるりと振り返って、いきなり残り2体の魔物に火を噴いた!