まさか――



この声は――



(シル?――シルヴィなのか?)


(ああ、通じた)



おまえ、こんなときでもかすれ声なんだな。

なんてオレは余計なことを考えた。



(おい、これは何だ?

まさか、遠話ってやつか?

こっちの声は聞こえるのか?)


(聞こえる)


即返ってくる、懐かしくさえある声。


(結構いけるもんだな。

やってみたらできた)


相変わらず、淡々としてやがる。

一度でいいから、「やったぁ」とか言ってみろよ。