月の雫 -君と歩む彼方への道-

かわいそうに。



つらかったろうに。




一瞬だけ共有した、あの恐ろしい記憶。

まるでリボンのようにひらりと一直線に胸から流れ出た赤い血。


あれが、本当のことだったなんて。



あのショックは、今も生々しくオレの胸に残ってた。

あれがオレに起こったら、オレはとてもじゃないけど耐えられない。




シルヴァイラの肩を抱いていたら。

ふと、ある鮮明なイメージが脳裏に湧き出た。


誰もいない村で、るいるいたる死体を呆然と見つめる、全身砂にまみれた幼い銀髪の少女。


(――何だこれ)