奈々はコクリとうなづいた
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ユウ「ずーっと気になってた。」
奈々「うん」
ユウ「ごめんな・・・引越しが分かってから自分の気持ちの整理がつかずにお前と話できなくなって」
奈々「うん、ゴミ箱だから、言葉は要らないよ。」
ユウは少し笑って、
ユウ「お前はお前って言われてもいやな顔一つしないし、ゴミ箱って言われても怒らないのな」
ユウ「お前の懐の大きさにさ・・・俺は尊敬してるんだよ本当は。」
ユウ「転校先では楽しくしてたのか?」
奈々「うん、誰かさんと一緒で口が悪いけど本当に優しい長池由香って親友が出来ました」
ユウ「そっか・・・俺はゴミ箱がなくてえらく不便だったよ。」
ユウ「テストの点数を馬鹿にしたって全然怒ってなかったのはすぐ分かったよ」
ユウ「やけに俺の気持ちが分かってくれて寛容で・・・初めて大人の女性を見た気がしてさ」
ユウ「一緒にいて本当に楽しかった、離れたくなかった、席も・・・」
奈々「これからはずっとゴミ箱をそばに置いておいてくれる?」
ユウ「・・・・」
奈々「もれなく彼方のストラップがついてきますよ・・・」
ユウは何も言えずに泣きながら奈々にKissをした
それから毎日決まった時間に携帯電話で話をすることを約束した
(完)
