ジョーは、いつもブランチを取るカフェに居た。

コーヒーをすすりながら、フランシーヌがジョーに宛てたという封書を開いた。

中身は色気のないものだった。

イスカ-13についての極秘資料が主だ。

資料によると、あの反逆の使徒と呼ばれる戦略衛星は、正規のルート以外で自分に侵入してくる者に攻撃を加えるシステムになっていたらしい。

スペースコロニーには、ガスなどの生物化学兵器が使われる可能性が高いだろう。

街行く人全てが白骨化する未来は、そうして作られるところだったのかもしれなかった。

「最後に残す手紙が…これかよ…?」

ジョーは、延々と続く戦略衛星の武装資料をパンと手で弾いて、喉の奥で笑った。