ジョーが目を開けると、ぼんやりと白い天井が見えた。

白い無機質な天井だった。

その隅のほうに、黒くて小さな染みがポツンとひとつあった。

農園で受粉のために飼育している蜂が紛れ込んだのだろうか…などと思って、ぼうっとそれを見ていた。

点滴のチューブが腕から傍らのスタンドに伸びていて、ぶら下がっている透明なパックの薬液には、イスルギとカタカナでジョーの名字が書いてあった。

右手が重い。

かすかに首を動かして、右手のほうに視線を向けた。

そのとたんに、ガツンと左側頭部を殴られたような衝撃がきた。

遅れて、痛みが眼窩に稲妻のように広がる。

その鋭い痛みで、なにが起こったのか、全て思いだした。

思わず押さえた左目に、包帯が幾重にも巻いてあった。