「フランシーヌ!」




学生たちが、トレーラーの上で拡声器を持つ少女の名を唱和した。



フランシーヌ! フランシーヌ!



大衆が拳を振り上げ、少女の名を連呼した。

ジョーは、その少女に視線を吸い寄せられたまま、茫然とその場に立ちつくした。

それが、邪眼のジョーと、反戦運動のカリスマ、フランシーヌが出会った瞬間だった。