同じような事を教室につくまでに
3人ぐらいに聞かれて
少しイラついた気分で教室に入ると

噂の張本人は
バカ3人組と何やら盛り上がってる最中で
俺の姿に気付いた後
手を挙げて近づいてきた。


「ういーす、何やら昨日夜通し
ケンゴと語らったらしいじゃん」

「あぁ、あの女のこと話した」


説明の少ない俺の言葉だけど
意味がわかったみたいで
「へえ」とおもしろそうな顔で呟き
前の席に座った。


「ケンゴも“ライオン女”探すって
言っただろ?」

「何でわかる?」

「わかるさ。
所詮アイツもお前と同じ音楽バカだし」

「それはお前もだろ?」

「俺の場合はさ、ちょっとちがうよ。
うん、まぁ……何ていうかさ」


曖昧な言い回しがカズマらしくなくて
自然と口調が荒くなる。


「何だよ、はっきりしねえな」

「まあ、おいおいな。
そんじゃ改めて俺も探すの手伝うよ」

「悪りぃな。
お前にはまた迷惑かけるかもしんねえけど」

「大丈夫だろ?
あの頃よりはお前も大人になったし。
ってもほんのちょっとだけど」


そして嫌味っぽく笑うカズマ。