そしてアドリブ混じりの演奏は続き
サビのメロディーが始まった時

何ていうか
全員の音が化学反応を起こし
ピッタリと一ミリの隙間もないくらい
がっちりとハマったのが分かって

瞬時に全身に鳥肌が立った。


こういう経験はそう簡単に
出来るものじゃない――。


全員それがわかって
顔を見合せ「オー!!!!」
と歓声ってか雄叫びを上げた。


アキはそれでも足りないらしく
楽しくってしょうがないっていう風に

まるで拍手のように
ハイカットのスニーカーを履いた足を
バタバタと踏みならした。


――きっと大丈夫。

こいつらとなら
いつまでも音楽の中で生き続けられる。