その時やっと我に返ったアホ5人組の


「ええぇぇぇーー!!??」


と大絶叫が屋上に響きわたる。


遅いだろ。
何秒放心してんだよ。


その声にパッと離れる二人、てか西条。

こちらに気が付くと
顔を真っ赤にして逃げるように
屋上から走っていった。


うん、最悪だね君たち。


するとカズマは力がぬけたように
ヘナヘナとしゃがみ込み頭を抱えた。

そこにゆっくりと近づき
丸まった背中に影を落とす。


「よう、色男」


真っ赤な顔を上げて
俺の顔を見たカズマは
再び視線を地面に向けた。


「やばい俺、イキソウ」

「ふはっ、そりゃよかったな」


くくく、と笑いながら隣に座る。


「で、お前ら付き合うんだろ?」

「多分……違う」

「は?何で。
告白したんだろ?」

「おう」

「返事は?」

「よく知らないから、ごめんなさいって」

「はぁ?
じゃ、あのキスは?」

「わかんね。
フラれて落ち込んでたらいきなりされた」


えっと、意味わかんねぇ。
気がかわった?
同情?
ついつい?
ムラムラ?

いやいやまさか。
こいつフェロモンとは無縁の犬系だし。


……とりあえず
西条の考えてる事を理解するには
判断材料が少なすぎる。