――三日目の朝のHRの時間
ケンゴから『西条今日も来てへんで』
とメールが来て

俺はいても立ってもいられなくなり
HRの途中にもかかわらず
そのまま学校を飛び出した。


こんな事なら
朝からアイツの家に行けばよかったと
様々な後悔が頭の中を駆け巡る。


何でこんなに連絡がとれない?


あの後もケンゴとカズマと三人で
頻繁にメールや電話を入れても
全く応答がなくて
ここまで返事がないと
さすがに嫌な予感がしてくる。

始めはあんなキツイ事言っちまったから
俺の事怒って避けてんだろう
とか軽く考えてだんだけど

今朝はついに
電話をした時に繰り返されてた
コール音さえしなくなって
すぐに留守電に切り替わってしまった。


電源が入ってないか
電波の届かないとこってどういう事だ?

俺の事が嫌で話したくねーなら
着信拒否すんだろ?
現に前もそうしてたし。


訳がわからなくて焦ってるところに
さっきのケンゴからの
メールがあったわけだから

俺がこうして
アキの家に向かって走ってるのは
なんら大袈裟な事じゃない。


俺の事を避けてるなら
それならそれで構わない。
むしろそうであってほしい。

でももしかして具合悪くて
倒れてたりしたら?

――それか最悪
変な事件に巻き込まれてたりとか。


アキにしてみたら
有り得ない話じゃないんだ。

だって現に一度
そういう目にあってるんだから。


“アイツは危ない奴を引き寄せちまう”

と心配そうな顔をして言ってた
ユウキの言葉が浮かんできて
俺の中の不安がさらに広がっていった。