次の日は案の定遅刻。

もう行くの止めちまおうかと思ったけど
カズマがしつこく電話をかけて来たから
仕方なく学校に向かった。

正門を通過したのは
3限がもうすぐ終わる頃。

下駄箱で靴を履き換えた時
激しい頭痛に襲われて
思わず反対側の壁に寄り掛かった。


何だこれ
ダサすぎんだろ。


そのまま足は教室ではなく保健室へ。
さすがにこの痛みは
耐えられそうもないから

薬でももらおうかと思って
保健室のドアに手をかける。

あのやたらと俺に対して攻撃的な
保健医の斉藤センセイ。

今の状態じゃ相手にするのに
心構えがいるから
一息ついてガラッと軽いドアを開けた。


「ちっと頭痛いんで薬欲しいんすけど」


…………。

返されたのは沈黙。

奥には無人の机が見え
物音ひとつしない室内の様子をみると
あの女はおそらく席を外してる。


ラッキー、か?
だったら勝手にもらっちまえばいいや。


そうして色々な薬品がしまってある
ガラス戸の付いた白い棚を
開けようとしたら案の定
シッカリと施錠されているのに気付き
舌打ちをした。


マジ勘弁しろよ。
いないのはいいけど
あの女、せめて鍵置いてけよ。


痛む頭を押さえながら
綺麗に整えられたベッドに飛び込み
鞄を投げ捨てた。

スプリングのせいで頭が少し揺れて
天井の電気がぼやけて見える。

その時隣のベッドとの
仕切りのカーテンがゆっくりと開き
視界に人影がうつった。


「リョウ?」