そもそもこいつは
生まれつきこんな男だった。

幼なじみとして
生まれたときから現在まで一緒に過ごし
家も隣、昨日からはクラスも一緒。


そんな腐れ縁としか言えないこの

中原 和馬(カズマ)

って男の考えてることをよむのは
俺にとって
明日の天気を当てるより簡単なこと。

……この女好きが。


そんな俺のどん引きっぷりに気付かず
満足そうに数回うなずき
再び窓の外に視線を落とすカズマ。

典型的空気読めない男。


あのさ、いくらここが三階だからって
そんなギラギラした目でみてたら
下の奴らにばれるんじゃね?

プラス引かれるんじゃね?
ってかストーカーっぽくね?


……ん?ちょっとまてよ。
確かコイツ――


「――なぁお前、彼女いなかった?
うちの三年のミカだかユカだかいう女。
年上サイコーとか息まいてたじゃん」


うん、そうだ。
俺の記憶が正しければ
こいつには特定の女がいたはずだ。

聞いてもないのに
彼女とのあんな事やこんな事
夜通し話されて大迷惑だったのは
つい三日前の事。

だからこんな必死に
女漁りする必要はないはず。


バカみたいに早起きして、
バカみたいに可愛い新入生チェックとか。

そもそもただ見てるだけって
メアドもゲットできなきゃ
名前すら知る事も出来ないし
何の身にもなんねーだろーがこのバカッ!!