ゴールデンウイーク前半は
遊ぶ気になれなくて
ひたすらバイトを入れた。

携帯の着信はほとんどシカトして
頭の中は全てあの女についてだけ。


そうして金曜の夜
やっぱりなかなか眠れなくて
空が薄明るくなるまで
ユリに訳してもらった
Deep Endの資料をひたすら読んだ。

歌詞とか、バンドのバイオグラフィー。


例の“Running From Lions”
誰かが失恋の歌とか言ったけど
ホントにそうなのか?


この歌詞を書いたケイが
ここで歌う“君”を
凄く大切に思ってたって事はよくわかる。


でも恋愛の歌だけじゃない気がする。
理由は、うまくいえないけど。


――あの女はあの日
何故この曲を選び歌ったのだろうか?

それにも何か
特別な意味があるような気がした。