気が付いたら薄暗い空の下。
奥まった細い路地のような所に
知らない女と二人でいた。


……誰だこの女。

一瞬戸惑ったけど段々と記憶が甦る。

確かカラオケで何時間か過ごして
ダーツでバトルして
飯でも食いに行くかって
道を歩いてたら誰かに腕をひっぱられた。

そしてそのまま手を引かれ今ここにいる。


「ねぇ、いいでしょう?」


甘えたように
俺の首に巻き付いてくる細い腕。


確かお嬢様高校の奴らとか
言ってなかったか?

これのどこがお嬢様だよ?と
冷めたキモチで視線をあわせる。


綺麗に上がったマスカラ
グロスで濡れた唇
緩く巻かれた柔らかな髪
薄手の白いワンピースから伝わる膨らみ
香水の甘い香り。


――まぁ、いっか。

訳のわからないこの不快から
一瞬でも逃れられればと思い
そのまま流れに従った。