「やばい!リョウ。
あの子すっげー可愛すぎる。
新入生?マジやべぇ」


そこそこ女慣れしてるこいつでさえ
顔を赤らめて興奮してる。


たしかにやばい。

だんだんはっきりと見えてくるその顔は
どっからどう見ても
100人中100人が美少女って断言できるぐらい
完璧な姿だった。


少し気の強そうな大きな目
通った鼻筋、赤く膨らんだ唇。


だけどそんなものはどうでもよくて
彼女の身体を纏う独特のオーラに
俺は引き付けられずにはいられなかった。


確証なんか何もない。
――でも間違いない。


こいつは『音楽』をやる奴だ。