―――ある日の出来事。


それは、突然にやってきた。


「おはよー…。」


朝の教室に現れた沙弥は、
いつになく暗く、
目のクマがより黒く影を落としていた。


「どっ、どうしたの?!」


私はもちろん驚いた。


そんな沙弥は、
私の記憶の中にはいない。


「どうした、って…。

勉強のせいに決まってるだろ……。」


今にも倒れそうなほどふらふらな状態でそのままこっちにやってきて、
席(私の隣!)についた。


「全くー。
そんな無理しなくても!!

なんで、
いつにも増してそんな勉強したの?」


沙弥は、
さっきまでのぼんやり顔を一瞬で変化させて、
愕然とした顔を私に向けてきた。


「えっ??
な…なに?

まさか私の顔に…?!」