「あたし……。
あたしっ……!!」


泣きながら、
その女子は男子に抱きついた。


…鼻水がYシャツにつくだろう。


泣きながらくっつかれたらたまったもんじゃない。


並木とかいう男も、
大変なヤツに好かれたものだ…。


「みっ、美山……。」


…な、なんだと?!


なぜ並木は拒まない!


それどころか、
両手を美山の背中に回している!


どういうことだ!!


「…あたしも……。

ずっと、好きだった!
並木くんのこと、大好きなの!!」


もう分からない!


何がなんだか…。


実に不愉快だ!


「…美山。」


並木は美山のあごをクッと上げた。


そして―――…。