cross out

『暁、ちょっとゴメン。御手洗いに行ってもいいかな?』



あたしはそう言って席を立った。



そして足早にトイレの個室に入ると、



携帯を取り出した。



携帯を開く指が震えて、ボタンの操作が上手くいかない。



あたしは、アドレス帳の懐かしい名前を選択する。



結城 尋―――。