ラブ・スーパーノヴァ

成明はため息をついて、もう一度ぐるりと部屋を見回した。

「君がどういう風に父のことを聞いたかは知らないが、少なくとも私の知っている父はこんな風に自分の子供の写真を一日中眺めているような人ではなかった。

私はね、これを初めて見た時に、君に強く嫉妬したよ。

・・・写真を良く見て。」

そう言って写真に顔を近づけた。

「どの写真も父の指紋が沢山ついてる。
特に君の顔のあたり。何度も何度も撫でたんだ。

きっと・・・本当は実物を撫でたかったに違いないよ。

そんな父の気持ちが痛い程伝わってきて・・・。」

成明は声を詰まらせた。それから黙ってしまった。

倫は写真を見た。

ハイハイをしてこちらに向かって笑っている倫。

既に色あせてしまっているが、よく見るとそこには沢山の指紋がついていた。

この部屋で1人、写真を見つめて倫の顔を撫でる老いた九条周一郎の姿を思い描いた。

会いたいのに会えない娘。

こうして写真で眺めるしかなかったのだ。

倫は泣いた。