ラブ・スーパーノヴァ

「倫ちゃんはどの星が一番好き?」
「ん-・・・そうだなあ。

ちょっと一番を決めるのは難しいなあ・・・。
なにか心に決めてる’一番’があるの?」

「俺は・・・スーパーノヴァ」

「スーパーノヴァ?超新星のこと?」

倫は夜空から薫に視線を移して言った。

「でも、超新星って、星の名前じゃなくて、星が死ぬ時の大爆発のことじゃないの?」

薫はさすがだね、と言って倫を見下ろした。

「なぜだか・・・倫ちゃんは俺の中で『超新星』ってイメージなんだ」

「何よそれ。大爆発してるってこと?」

倫は失礼しちゃうとふくれた。

薫が笑う。

「違うよ。超新星の写真見たことある?

すごく綺麗なんだ。

小さい頃祖父に見せてもらって、すっかり魅了されてしまった。

星が最期にものすごいエネルギーを放出して大爆発する。

銀河に漂うその光に包まれたくなるんだ。」

少年のように目を輝かせて話す薫の横顔を倫はじっと見つめた。

「倫ちゃん・・・君から放たれる光に包まれていたいって、思うんだ。」

倫は心臓が締め付けられて息ができなかった。
倫は言ってしまいたかった。

(あなたが好き・・・!でも、私のお父さんは・・・)

「倫ちゃんが言ってた好きな人って、嵐山さんだね?」

倫は薫の言葉に足が止まった。薫もそれに合わせて止まる。

「俺は、自分がこんなに嫉妬深い男だと思わなかった・・・。胸が苦しくて・・・。」

薫はそれ以上は言いたくないといった風に口を噤んでしまった。

倫は頭から水をかぶったような気分になった。

(そうだ・・・私、好きな人がいるって嘘ついてまで、この人を突き放したんじゃない。何してんのよ・・・。)

浮かれていた自分を心の中で詰った。

なんのために彼を傷つけてまで突き放したのか。

自分にも九条の血が入っているのだ。

「私・・・」
「・・・今日は本当に楽しかった。一緒に過ごせて・・・。もう、次はないかもしれないと思うと、辛いな。」

倫は涙が出そうだった。