ラブ・スーパーノヴァ

倫は自分から話題をふっておいて後悔した。

(だめだ・・・私・・・これ以上一緒にいたら・・・言ってしまいそうだ)

倫は先ほど樫野に自分の正直な気持ちを話した時に、自分の中である種の”開き直り”のような気持ちが芽生えていた。

倫は部屋に戻ろうと思ったが、一言だけ言っておきたいことがあった。

「・・・合宿、参加してくれてありがとう。

自分からもう会わないとか言っておいて・・・。

すごく感謝してる。みんなあなたに会いたがってたから。」

薫は倫の顔を覗き込んだ。

「じゃあ、お礼してくれる?」
「お礼?今、何も持ってないわよ。」

倫はあげるものなど何もないと懐中電灯とレンズキャップを持った両手をあげた。

薫はその二つを倫から取り上げると、倫の手をつないだ。

「手をつないで、歩いてくれる?」

倫はどきっとしてあとずさった。

「そ、それは・・・」
「感謝してくれてるんだろ?そのくらい、いいと思うけど。」

薫は倫を逃さないよう、手に力を込めた。

倫は葛藤したが、薫には本当に申し訳ないと思っていたし、手を繋いで歩きたいという気持ちは倫にもあったので、渋々応じることにした。

(今だけ・・・少しだけ・・・)

薫の手は冷たかったが、樫野の手をつないだ時に感じた冷たさではなかった。

倫のぬくもりをずっと待ってたというような・・・。

二人で当て所なくうろうろと歩きながら、星を観察した。

「あのひし形のやつ、なんて星座か知ってる?」
「あのアルタイルの近くのやつ?知らないなあ。」
「あれはイルカ座だよ。」
「え!?イルカ座なんてあるんだ・・・!?へ~可愛い。」

倫は薫の解説が楽しく、時が経つのを忘れた。

最初は緊張して力が入っていた手もしだいに緊張がほぐれ、薫がつなぎたいようにつながせていた。