倫はストレートに尋ねた。
樫野は倫の言葉に目を見開いたが、ふいっと正面を向いて表情を隠した。
「そんな、好きとか、そんな陳腐な言葉では表せません。」
樫野のそれはきっと尊敬の域に達しているのだろう。
(私と同じだ・・・。)
倫はふと、薫に会わないと告げた時の悲しそうな表情を思い出した。
胸がちくりと痛む。
「そうか・・・わかった。あなた、本当は薫が好きなんでしょう。」
倫はずばりと言われて、はっとした。
「薫はあの通り女に苦労しないタイプだから、そこをあえて気が無いふりをして薫をひきつけようって考えているんでしょう。」
倫は考えもしなかったことだった。
「そんなこと、考えたこともないよ!」
倫は思わず声を上げた。
樫野は、倫の声に少し驚いたが次の瞬間倫の二の腕を掴むと頭を下げた。
「じゃあ・・・じゃあ、あいつの想いを叶えてやってください!お願いします!」
倫は目の前にある樫野の後頭部を見つめた。
「僕にはわかるんだ。
あいつには、もうきっとあなたしかいない。
この先もずっとあなたしかいないんだ・・・。」
樫野の悲痛な声は倫の全身に響いた。
(そんなこと・・・私だって・・・・!)
この合宿で、話さなくても、目を合わせなくても、お互いが強烈に意識し合って、引き付けあっているのを嫌というほど感じていた。
それはまるで引力のような・・・。
倫は血が繋がっていると知った今でも、薫のことをどんどん好きになっていってる自分が怖かった。
忘れようと思えば思うほど、薫の声や顔が鮮明になっていく気がした。
倫は今まで抑えてきた薫への想いが、樫野の前で溢れてしまいそうだった。
堪えていた涙が思わずこぼれる。
今日一日、由香と一緒にいる薫を見ているのが辛かった。
先ほど手を繋いで歩いていく二人の姿は苦しくて見ていられなかった。
「小山田さ・・・」
その時、倫たちの15メートル程後ろの小道から人が二人ガサガサと羽音をたてて出てきた。
「ちょっと、待ってよ!」
薫と由香だった。薫が先にすたすたと歩いてくるのに由香が小走りでついてくる。
樫野は倫の言葉に目を見開いたが、ふいっと正面を向いて表情を隠した。
「そんな、好きとか、そんな陳腐な言葉では表せません。」
樫野のそれはきっと尊敬の域に達しているのだろう。
(私と同じだ・・・。)
倫はふと、薫に会わないと告げた時の悲しそうな表情を思い出した。
胸がちくりと痛む。
「そうか・・・わかった。あなた、本当は薫が好きなんでしょう。」
倫はずばりと言われて、はっとした。
「薫はあの通り女に苦労しないタイプだから、そこをあえて気が無いふりをして薫をひきつけようって考えているんでしょう。」
倫は考えもしなかったことだった。
「そんなこと、考えたこともないよ!」
倫は思わず声を上げた。
樫野は、倫の声に少し驚いたが次の瞬間倫の二の腕を掴むと頭を下げた。
「じゃあ・・・じゃあ、あいつの想いを叶えてやってください!お願いします!」
倫は目の前にある樫野の後頭部を見つめた。
「僕にはわかるんだ。
あいつには、もうきっとあなたしかいない。
この先もずっとあなたしかいないんだ・・・。」
樫野の悲痛な声は倫の全身に響いた。
(そんなこと・・・私だって・・・・!)
この合宿で、話さなくても、目を合わせなくても、お互いが強烈に意識し合って、引き付けあっているのを嫌というほど感じていた。
それはまるで引力のような・・・。
倫は血が繋がっていると知った今でも、薫のことをどんどん好きになっていってる自分が怖かった。
忘れようと思えば思うほど、薫の声や顔が鮮明になっていく気がした。
倫は今まで抑えてきた薫への想いが、樫野の前で溢れてしまいそうだった。
堪えていた涙が思わずこぼれる。
今日一日、由香と一緒にいる薫を見ているのが辛かった。
先ほど手を繋いで歩いていく二人の姿は苦しくて見ていられなかった。
「小山田さ・・・」
その時、倫たちの15メートル程後ろの小道から人が二人ガサガサと羽音をたてて出てきた。
「ちょっと、待ってよ!」
薫と由香だった。薫が先にすたすたと歩いてくるのに由香が小走りでついてくる。

