ラブ・スーパーノヴァ

「へ~、小山田さん、星詳しいんだ。」

由香が後ろから会話に入ってきた。

「はぁ、いや、詳しいというほどでは・・・」

倫は妙に焦って、薫から離れた。

すかさず由香が望遠鏡の前に立ち、薫の袖を引っ張って言った。

「私、全然知らなくて。九条君、教えてくれるぅ?」

薫は黙って倫を見つめる。何か言いたそうな表情だ。

倫は薫の視線から逃れるようにその場を去った。

そろそろ撤収しようかという時、それまで女子大学生たちと話していた相原が倫の所に近づいてきた。

「あの・・・小山田さん。ちょっとお話が・・・。」

なんだか、照れたような雰囲気だった。

「はい、なんでしょう。」

教授が遠く離れているのを確認すると、倫に顔を寄せてひそひそと話した。

「この後、肝試しするんだって?・・・その、『裏企画』的な・・・」

倫は何で知っているのだろうと思いながらも「はい、やりますけど・・・」
と答えた。

相原はにこりと笑い、手を合わせてお願いのポーズをした。

「それ、私も参加させてくれるかなあ!?教授さんには内緒で・・・。」
「え?でも、学生だけの企画なんですけど・・・」

倫はなぜそんなことをお願いするのか最初は良くわからなかったが、しつこくお願いを繰り返す相原の照れたような笑みを見てようやく理解した。

相原は最初からこの合宿で『出会い』を求めていたのだ。

男子校の先生なら無理もないが、女子大学生に狙いをつけるというのもどうなんだろうと倫は思った。

しかし、自分も高校生に恋をしただけに、何も言えなかった。

「はあ・・・いいですけど、教授にバレないですかね。『裏企画』といいながら、実は教授も知ってるって話ですけど・・・。」

「大丈夫!教授さんは助教授さんと一杯やるんだって。
私はちょっと寝不足なので参加できないって言ってあるから。

あとは学生さんたちに口止めをお願いするからさ・・・ね!ね!」

相原の目はぎらぎらと本気がみなぎっており、倫はわかりましたと渋々答えた。

天体観測会はお開きとなり、とりあえず各自部屋に戻り、30分後に裏庭に集合することになった。