ラブ・スーパーノヴァ

「あたしが悪かったんだねえ・・・。

あの子は、アメリカの血のせいで、顔つきも肌の色もどうしたって目立ってしまった。

苦労させるってわかってて生んだのに、守ってやれなかったんだよ・・・。」

キヨは泣きそうな顔をしていた。

昔、母の幸子が死んだ時に、一生分の涙を流したから、もう泣くことはないと言っていたことを倫はぼんやり思い出した。

「倫、あたしは本当にお前さんが生まれてきたことを神さんに感謝してるんだ。

幸子だってそれは同じさ。あの子は全力でお前さんを愛して育てた。

死に際、意識もあるんだか無いんだかの時だってお前さんの名前を呼び続けてたんだよ。」

倫にもそれはうっすら記憶があった。

病室で母が横たわり、倫は枕元の椅子に座らされ、母の手を握るよう促された。

母は泣いていたような気がする。ごめんね、と言った気がする。

倫は布団を被って声を殺して泣いた。


母は何で謝ったのだろう?
育てられなくてごめんね?
父親がいなくてごめんね?
生んでごめんね?


倫は夜通し泣いて、泣きつかれて眠った。

キヨは何も言わず、倫の傍らでタバコを吸いながら夜を明かした。