九条周一郎・・・。
薫のお祖父さんなのだろう。
あの書庫の元の主・・・。
薫に紹介されたあの政治家の伯父という男性は・・・兄なのだ。
薫の父も兄ということは、薫とは甥と叔母の関係にあたることになる。
(はは・・・血が繋がってるなんて・・・。
それで恋に落ちるなんて・・・そんなこと、あるんだなぁ。)
倫は切なくて胸が苦しくなった。
(そりゃあ、キヨちゃんも反対するよね・・・。
血が繋がってるんだもん。)
倫は薫の黒い美しい瞳を想い出した。
なぜ出会ってしまったのだろう。
何も、この世の大勢の中から彼と出会い、恋に落ちることもないのに、神様ってイジワルだわ・・・と倫は思った。
倫は少し落ち着きを取り戻し、涙をぬぐって言った。
「キヨちゃん・・・その・・・周一郎さんは、私の存在を知ってたのかな。」
キヨは冷静に話す倫の様子を見て少し安心したようだった。
「さあ・・・どうかな。いや、知っていたんだろうね。
あんたが生まれてしばらくしてから、九条の家のもんが大金持ってやってきて、以後、九条の家との関係は断ってくれなんて言ってきやがったからね。
金なんていらない、関係を断ちたいのはこっちの台詞だって追いかえしたよ。
水やら塩やら、投げつけてやった。
乗ってきた車も角材でぼこぼこにしてやったけど、本当はみんな殺してやりたいくらいだったよ。
幸子の手首には傷がいくつもあった。
お前さんがお腹にいるって知らない時に、何度も死のうとしてたんだ。」
キヨは倫の頭を撫でた。
薫のお祖父さんなのだろう。
あの書庫の元の主・・・。
薫に紹介されたあの政治家の伯父という男性は・・・兄なのだ。
薫の父も兄ということは、薫とは甥と叔母の関係にあたることになる。
(はは・・・血が繋がってるなんて・・・。
それで恋に落ちるなんて・・・そんなこと、あるんだなぁ。)
倫は切なくて胸が苦しくなった。
(そりゃあ、キヨちゃんも反対するよね・・・。
血が繋がってるんだもん。)
倫は薫の黒い美しい瞳を想い出した。
なぜ出会ってしまったのだろう。
何も、この世の大勢の中から彼と出会い、恋に落ちることもないのに、神様ってイジワルだわ・・・と倫は思った。
倫は少し落ち着きを取り戻し、涙をぬぐって言った。
「キヨちゃん・・・その・・・周一郎さんは、私の存在を知ってたのかな。」
キヨは冷静に話す倫の様子を見て少し安心したようだった。
「さあ・・・どうかな。いや、知っていたんだろうね。
あんたが生まれてしばらくしてから、九条の家のもんが大金持ってやってきて、以後、九条の家との関係は断ってくれなんて言ってきやがったからね。
金なんていらない、関係を断ちたいのはこっちの台詞だって追いかえしたよ。
水やら塩やら、投げつけてやった。
乗ってきた車も角材でぼこぼこにしてやったけど、本当はみんな殺してやりたいくらいだったよ。
幸子の手首には傷がいくつもあった。
お前さんがお腹にいるって知らない時に、何度も死のうとしてたんだ。」
キヨは倫の頭を撫でた。

